労働安全衛生総合研究所

「墜落災害の防止と防護に関する国際会議(2013年)」開催報告

 平成25年10月23日(水)-平成25年10月25日(金)に、当研究所の清瀬地区において「墜落災害の防止と防護に関する国際会議(2013年)」が開催されました。本国際会議は、国際人間工学連合(International Ergonomics Association (IEA))の墜落等防止のテクニカル分科会(Technical Committee on Slips, Trips and Falls (STF))の一活動として位置づけられるものであり、墜落防止に関する唯一の国際会議です。
 本国際会議には、墜落災害の防止(墜落のほか、転倒、つまずき、スリップなども対象)に係わる世界の著名な研究者、実務担当者らが一同に集まり、米国、ヨーロッパ、アジア等の10か国よりおよそ70名の参加者がありました。会議では、研究成果、ケーススタディ、技術開発等に関し32件の発表があり、活発な討論や意見交換等が行われました。
 また、会議2日目の午後からは「墜落災害の防止と防護に関するワークショップ」を開催しました。このワークショップは英日同時通訳の下で行われ、一般の方も聴講自由としおよそ100名の参加者がありました。
 ワークショップでは、米国、韓国、香港、シンガポール、フランス、日本の8名の著名な研究者、行政担当者から、各国の墜落災害に関する現状とその対策などについてご講演いただきました。その後、講演者らによるパネルディスカッションを行い、今後の墜落災害の防止と防護に関しその方向性を示すとともに、各国の協力の必要性が提言されました。
 ワークショップの講演概要につきましては、こちらをご参照ください。

[PDF]ワークショップの講演概要(全文英語です)


 会議3日目の午後は、「JNIOSH Tour」と題し、墜落防止研究を中心に清瀬地区の主要な研究施設の見学会を実施しました。当研究所の最新の研究施設や研究成果について、特に海外からの参加者より高い関心を示していただき、意見交換等により活発な議論がなされました。
 JNIOSH Tourをもって、本国際会議の全ての行事が無事終了しました。各国の研究者、行政担当者からは、今後もこのような国際会議を継続して実施し、お互いに協力しながら墜落防止に取り組んでいきたいという声も聞かれました。当研究所においても、この国際会議を一つのステップとして、墜落災害の撲滅に向けた研究を推進していきたいと思います。
 (建設安全研究グループ 上席研究員 大幢 勝利)


ワークショップにおけるパネルディスカッション
JNIOSH Tour

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