労働安全衛生総合研究所

安全資料 SD-No.19 の抄録

床型枠用の鋼製デッキプレート(フラットデッキ)の安全性

SD-No.19
永田久雄,大幢勝利,高梨成次,日野泰道

 床型枠として使用されているフラットデッキが崩壊して,労働者が被災する災害が発生している。代表的な災害事例から,事故要因を推察し,それに基づき強度試験を行った。その結果,現行の設計(降伏点)強度と実測した曲げ強度から求めた安全率は,端部固定なしの場合,厚さ0.8mmで平均1.35と作業リスクが最も大きくなる,1.2mmで1.51,1.6mmで1.82,端部をスポット溶接した場合は,それぞれ2.28,2.48,2.78であった。このことから,0.8mmの薄肉のフラットデッキをRC造,SRC造で使用する際に,最もリスクが大きいことが判明した。また,端部固定なしの場合に,フラットデッキ端部の梁へのかかり代が製品寸法のばらつき,設計ミス,施工ミスなどで不足するとその長さに応じてエンドクローズ部の強度が大きく減少することが判明した。(図18,表7,参考文献4)


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