技術指針 TR-No.36 の抄録
集じん機及び関連機器における粉じん爆発防止技術指針
TR-No.36 |
林年宏,松田東栄 |
まえがき 可燃性粉じんによる爆発・火災を防止するため、労働安全衛生規則では可燃性の粉じんが存在する場所に対して、通風、換気、除じん等の措置、火気の使用禁止、防爆構造の電気機械器具の使用及び静電気対策を定めているが、これらの対応だけでは必ずしも災害の防止には十分でない面がある。 最近の粉じんによる爆発・火災の事例を見ると、集じん機などによる粉体取扱いにおける爆発・火災災害が際だって多いことがうかがわれる。可燃性粉じんによる爆発・火災災害を防止するためには、特に粉じんの発生が避けがたい集じん機の安全化及び集じん機運転時の安全対策が重要である。しかしながら、わが国では集じん様に対する総合的安全対策を示す技術的指針が明確には示されていない。 当研究所では、従来から粉じんによる爆発災害の防止に関する研究を行ってきたが、集じん機に対する粉じん爆発防止に係る技術的指針を示すことの必要性を認めたため、労働省労働基準局安全課及び産業界の協力を得て当研究所の技術指針として示すこととした。 この指針は、労働省の要請により、社団法人産業安全技術協会に設けられたr粉じん爆発の防止対策に関する調査研究委員会」において審議された結果を基に、補足検討を加えて公表するものであり、可燃性粉体を取り扱う装置の中でも、最も爆発・火災の危険性が大きい集じん機を対象として、集じん機の特殊性、集じん機の構造要件と具備すべき安全装置、運転・使用上の安全対策及び保守・点検・補修を中心に具体的な手法と対策を示したものである。 ここに、指針原案の作成に協力いただいた、労働省安全課、社団法人産業安全技術協会、原案作成委員会委貞及び関係各位に深く感謝します。 この指針が、産業現場において広く活用され、粉じんの爆発・火災災害の防止に役立つことを切に念願して止まない。 平成11年3月1日 労働省産業安全研究所 所長 田畠 泰幸 |