労働安全衛生総合研究所

安衛研ニュースNo. 162(2022-07-08)


* 本メールは労働安全衛生総合研究所に配信を登録された方に配信しています。
** 次回配信予定:2022年8月5日(毎月第一金曜日発行、今月は第一金曜日が研究所休業日のため、今号の発行は第二金曜日となります。)
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目次
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【162-1】お知らせ
  1. INDUSTRIAL HEALTH Vol.60 No.3 の発行・公開
  2. 化学物質による労働災害防止のための新たな規制について
  3. 令和四年度 安全衛生技術講演会(オンライン)のご案内(第二報)
  4. 所内表彰について

【162-2】コラム
  1. 仕事の流れと安全
      (新技術安全研究グループ 部長 芳司 俊郎)

【162-3】労災疾病等医学研究普及サイトのご案内
  1. 「医療従事者の安全」について
    「医療従事者における抗がん剤職業曝露ゼロを目指した抗がん剤取扱い手順の開発」

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【162-1】お知らせ
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1. INDUSTRIAL HEALTH Vol.60 No.3 の発行・公開

 当研究所の英文学術誌であるINDUSTRIAL HEALTH Vol.60, No.3を発行・公開しました。
 巻頭言では、痛みに関する国際的な定義の変更に従って、①侵害受容性疼痛、②神経障害性疼痛、③痛覚変調性疼痛の中でも、職業性腰痛における③の概念の意義を、東京大学医学部附属病院22世紀医療センターの松平浩先生が解説しています。
 本号は総説1編(無線周波電磁界の職業性ばく露、オランダ)、原著5編、短報1編、現場報告1編、編集者への手紙2編を掲載しています。原著では小売業労働者における客観的労働時間の特徴(フィンランド)、業務関連ウェルビーイングと主観的ウェルビーイング(米国)、酸化ナノチタン粒子のばく露評価(当誌編集委員、鷹屋光俊)などが扱われています。現場報告では小児科系医療職における亜酸化窒素ばく露(フランス)が示されています。
 ご一読いただくとともに、皆さまの研究成果も積極的に投稿していただけますと幸いです。

 ご質問などがございましたら、本誌事務局( ihjim@h.jniosh.johas.go.jp )までお気軽にお問い合わせください。

↓↓↓ 以下のリンク先で内容をご覧ください。
https://www.jstage.jst.go.jp/browse/indhealth/(J-STAGE)


2. 化学物質による労働災害防止のための新たな規制について

 厚生労働省は、化学物質による労働災害を防止するため、労働安全衛生規則等の一部を改正しました。
 化学物質による休業4日以上の労働災害(がん等の遅発性疾病を除く。)の原因となった化学物質の多くは、化学物質関係の特別規則の規制の対象外となっています。本改正は、これら規制の対象外であった有害な化学物質を主な対象として、国によるばく露の上限となる基準の策定、危険性・有害性情報の伝達の整備拡充等を前提として、事業者が、リスクアセスメントの結果に基づき、ばく露防止のための措置を適切に実施する制度を導入するものです。

↓↓↓ 以下のリンク先で内容をご覧ください。 ↓↓
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000099121_00005.html(厚労省サイトへ)


3. 令和四年度 安全衛生技術講演会(オンライン)のご案内(第二報)

 当研究所では、労働安全衛生に関する研究成果を皆様にわかりやすくご紹介するため、令和四年度 安全衛生技術講演会(参加無料)を令和4年9月28日(水)にオンラインにて開催致します。
 開催時間は13:00-16:35です。講演プログラムの詳細と参加申込み方法につきましては、下記URLにてご確認ください。

↓↓↓ 令和四年度 安全衛生技術講演会 URL ↓↓↓
https://www.jniosh.johas.go.jp/announce/2022/kouen.html

4. 所内表彰について

 当研究所では、業務の推進について顕著な功績のあった者を表彰し、その功労に報いることにより職員全体の志気を高揚し、業務の能率的かつ効果的な運営に 資することを目的として、毎年、総合業績表彰、研究業績表彰、若手研究員総合業績表彰を行っています。
また、インパクト・ファクターの高い論文を執筆した研究員については、荒記記念論文賞を授与しています。

↓↓↓ 以下のリンク先で内容をご覧ください。 ↓↓↓
https://www.jniosh.johas.go.jp/publication/mail_mag/2022/162-1.html

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【162-2】コラム
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1.仕事の流れと安全
 (新技術安全研究グループ 部長 芳司 俊郎)

 自動車工場などで使われる言葉に「後工程はお客様」があります。例えば、強度不足の部品が製造工程(前工程)から組立工程(後工程)に渡ると、製品に欠陥が 生じてしまいます。同様のことは、製品開発や設計などの工程でも起きます。この様に前工程をないがしろにすると、欠陥製品が出荷される、もしくは後行程で事故 が発生するなどの事態を生じかねません。前工程の段階で適切な品質管理を完遂させるという考え方は、源流管理やフロントローディングとも呼ばれますが、リスク アセスメントにおいても重要です。当コラムでは源流管理を取り入れたPDCAサイクルに基づくリスクアセスメントについてご紹介します。

↓↓↓ 以下のリンク先で内容をご覧ください。 ↓↓↓
https://www.jniosh.johas.go.jp/publication/mail_mag/2022/162-column-1.html

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【162-3】労災疾病等医学研究普及サイトのご案内
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1. 「医療従事者の安全」について
「医療従事者における抗がん剤職業曝露ゼロを目指した抗がん剤取扱い手順の開発」
 
 抗がん剤は、がん細胞に対してその効果を発現する一方で、その作用機序から、正常な細胞に対しても悪影響を及ぼすものが少なからずあります。
 抗がん剤の調製時に発生するばく露により、医療従事者が健康被害を受けるリスク(職業性ばく露)については、日本国内外ともに多数の報告がなされており、近年では、我が国でも抗がん剤の取扱いに関するガイドラインや手順書が策定されているところです。
しかし、その妥当性についてはエビデンスが少なく、十分に評価されているとは言えません。そこで、本研究では、抗がん剤を取り扱う医療従事者の職業性ばく露のリスク削減を目指して、実際の抗がん剤調製時の作業手順の検討を行いました。
 ばく露の原因と推測される作業工程を分析し、各作業での操作方法について仮説を立てて実験・検証を実施し、これにより得られたエビデンスを基に、最適化した抗がん剤の取扱手順書を作成し、さらには、手順書を基にした映像資料を作成し、各現場での低飛散手技や手順の実施を促しました。
 その結果、労災病院4施設において飛散量調査を実施したところ、手順導入前と比べて、実際の実務下における抗がん剤の飛散量がより減少しました。

 研究の概要や研究結果については下記リンク先をご参照ください。
https://www.research.johas.go.jp/anzen2018/index.html

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mailmag@s.jniosh.johas.go.jp まで

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