労働安全衛生総合研究所

研究員の受賞について

(1) 2021年度 日本産業衛生学会 優秀論文賞

 受賞者 :豊岡 達士 (化学物質情報管理研究センター 有害性評価研究部)

 当研究所の豊岡達士研究員らが産業衛生学雑誌に発表した総説論文が、2021年の産業衛生学雑誌の優秀論文賞に選ばれ、2022年5月に高知で開催された第95回日本産業衛生学会において表彰されました。この賞は、2021年に産業衛生学雑誌に掲載された論文の中で、産業衛生学の発展に寄与する優れた論文数報に授与されるものです。
 受賞した論文のタイトル等は、「ベリリウム及びその化合物による健康障害の防止対策と職場における労働衛生管理- 最近の動向と我が国の課題-」 豊岡達士・甲田茂樹 著、2021年63巻31-42頁で、論文の内容は、労働者健康安全機構として、当研究所と労災病院とが協働研究として取り組んでいるベリリウムの衛生管理に関する研究を実施する中で見えてきた知見や課題等を纏めたものになります。


授賞式の様子2

授賞式の様子


(2) 2021年度 日本産業衛生学会 優秀論文賞

 受賞者 :小嶋 純 (環境計測研究グループ)
 受賞論文:「磁気を利用した簡易集じん法による金属研磨粉じんばく露の抑制」
              (産業衛生学雑誌63巻4号129-132ページ掲載)

 産業衛生学雑誌に1年間に公表された論文の中から優秀論文賞を授賞しています。例年、3、4件が優秀論文に選出され、日本産業衛生学会総会において表彰されています。


(3) 第95回 日本産業衛生学会 若手優秀演題賞

 受賞者 :天本宇紀 (化学物質情報管理研究センター 有害性評価研究部)
 受賞演題:シリカ粒子の炎症誘発性を予測するための赤血球溶血性試験の検討

 この賞は、第95回日本産業衛生学会における筆頭発表者で、40歳未満(2022年3月時点)の応募者の中から若干名が選出されるものです。


(4) 2021年度 安全工学論文賞

 受賞者 :遠藤 雄大, 崔 光石 (電気安全研究グループ)

 当研究所の電気安全研究グループ主任研究員 遠藤 雄大、同グループ部長 崔 光石 が、令和4年5月23日に行われた安全工学会第18回総会において、2021年度安全工学論文賞を受賞しました。
 安全工学論文賞は、2020年、2021年の「安全工学」誌に掲載された論文の中で特に優れた論文に与えられるものです。
 受賞した論文のタイトルは「灯油ミストの着火特性の調査」(安全工学 Vol.60,No.3,191-197,2021)で、引火点が高く常温では着火危険性が低い灯油について、粒径5㎛程度の微小なミスト状態となれば常温下でも1 mJ以下の静電気放電レベルの小さなエネルギーで着火することを実験により明らかにしたものです。本論文の成果は、高引火点引火性液体の取り扱い時に発生しうる微小ミストについての火災爆発危険性を示すとともに、ミストの状態を適切に管理できれば危険性を低減できることを示唆しており、産業現場の安全への貢献が期待できることから、論文賞の授与に相応しいと判断されました。


授賞式の様子

授賞式の様子


(5)  2021年度 安全工学会学術技術奨励賞

 受賞者 :遠藤 雄大 (電気安全研究グループ)

 当研究所の電気安全研究グループ主任研究員 遠藤 雄大 が、令和4年5月23日に行われた安全工学会第18回総会において、2021年度安全工学会学術技術奨励賞を受賞しました。
 安全工学会学術技術奨励賞は、対象年度から10年間遡った期間内に、安全工学分野に関する優れた学術論文、解説、技術資料(社内報を含む)、事例紹介、書籍などを公開し、安全技術の進歩(新規技術の導出)、安全教育・スキルアップへの貢献が認められる会員に与えられるものです。
 受賞対象となった業績題目は「引火性液体に関係する静電気災害の防止を目的とした研究」で、遠藤研究員は、引火性液体に関係する静電気災害について研究を重ね、液体の噴出帯電特性や高引火点引火性液体ミストの着火特性を解明し、その成果を学術論文等で発表してきました。これらの成果は、現場で見落とされる傾向のあった、液体の噴出やミストの発生に伴う危険性を改めて示し、引火性液体を取り扱う施設において、より徹底した静電気災害防止対策を講じる際の参考データとなり、これらの施設の安全に大きく寄与するものであることから、学術技術奨励賞の授与に相応しいと判断されました。

刊行物・報告書等 研究成果一覧