労働安全衛生総合研究所

2022年度 安全工学論文賞

 当研究所の化学安全研究グループ部長 八島正明 が、令和5年5月24日に行われた安全工学会第19回総会において、2022年度論文賞を受賞しました。この賞は毎年、会誌「安全工学」に掲載された優秀な論文を2件以内選んで授与しているものです。

 受賞した論文のタイトルは「水素化マグネシウム粉じんの爆発・火災の特性」(Vol.61, No.2, pp.102-112 (2022))です。水素の有効利用のため、高密度で水素を貯蔵、輸送できる水素吸蔵合金が各種開発されています。最近では、水素の貯蔵密度が従来のものに比べて格段に高く、加水分解によって100℃以下で効率的に水素を発生する水素化マグネシウム(MgH2)が開発されています。本論文は今後利用が増えるであろうMgH2を試料とし、粉状の場合の発熱、発火、さらに燃え拡がり速度、爆発圧力などそれまでよく知られていなかった爆発と火災の危険性を明らかにしたものです。さらに、湿式の廃棄を考慮して、水中保管後に取り出したものの可燃性の有無を調べ、産業現場に役に立つ情報を示したことが評価されたものです。


写真:八島部長/受賞後の様子

八島部長/受賞後の様子

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